「ヴァイオリンと翔る」
諏訪内晶子著(NHKライブラリー)
諏訪内晶子さんといえば、日本を代表する偉大なるヴァイオリニストです。
その諏訪内さんが、自らの音楽と生き方を考察した、貴重な1冊です。
ヴァイオリンを始めてからチャイコフスキー国際コンクールでの最年少優勝までの過程、
さらにはジュリアード音楽院時代における彼女の様々な体験を通して、
世界の第一線の音楽事情を窺い知ることができます。
これを読めば、あなたもちょっとした音楽通になれるかも!?
「これで納得!よくわかる音楽用語の話」
関 孝弘/ラーゴ・マリアンジェラ―共著(全音楽譜出版社)
楽譜に書かれた「音楽用語」。
わかっているようで、実はほとんどの日本人が正確には理解していないのです。
私の大学時代の恩師はよく「楽語辞典を買うならイタリア語の辞書を買いなさい」とおっしゃっていました。
これは、「音楽用語」のほとんどが、イタリア人が日常会話で使っている言葉だからです。
音楽を演奏する皆さんが、楽しく、表情豊かに、作曲家の意図する音楽を奏でるためのヒントになる本です。
読み物として初めから終わりまで順番に読んでも良し、辞書として必要なときに必要なページを読んでも良しという良書です。
「『マエストロ、時間です』~サントリーホールステージマネージャー物語~」
宮崎隆男著(ヤマハ)
あなたはステージマネージャーという仕事をご存知ですか?
日本には30数名のプロのステージマネージャーがいらっしゃるそうですが、
そのほとんどがオーケストラ所属の方です。
かのヘルベルト・フォン・カラヤンのアドヴァイスによってヴィンヤード型が採用され、
日本で始めて本格的な音楽用のコンサートホールとして生まれたサントリーホール。
その誕生と同時に日本で最初の「ホール専属」のステージマネージャーさんが誕生しました。
その初代の方が、著者である宮崎隆男さんです。
この、知る人ぞ知るクラシック音楽界の名物男が沈黙を破って出版された本です。
日本初のホール専属ステージマネージャーの記録としてはもちろん、
一般の人にとっても演奏会の縁の下の力持ちの仕事を知ってもらうことにもなり、
そして何よりも、日本一の音楽ホール故にクラシック音楽ファンには魅力的なエピソード集として価値ある1冊です。
「ヴァイオリン体操」
神原泰三著(音楽之友社)
ヴァイオリンをはじめとして、弦楽器を演奏するためには、とても複雑な身体の動きを必要とします。
身体のつくりを理解し、無理のない自然な身体の使い方を意識し、トレーニングすることにより、
演奏が楽になり、音もよくなるということが実証されてきました。
演奏による身体への負担を減らし、より永く楽器を演奏していけるように、というのが本書のねらいです。
わが管弦楽部でも、練習の一部に取り入れています。