1年書写 第18回「かな文字」
今回の書写は小筆で「かな文字」を書くことを学びました。
書いた文字は、「山路来て なにやらゆかし すみれ草」(松尾芭蕉『野ざらし紀行』)

まず、関口鶴情先生は今回のポイントを分かりやすく説明してくださいます。
今回のポイント

まず、かな文字の書き方についてですが、これは美しい流れが重視されるそうです。また、余白が大切であり、半紙の空間のどこに余白を配置するかで芸術が決まってくるとのことでした。また、墨の濃淡で色加減を調整することが大事だと御説明なされました。
小筆の使い方に関しましては、「筆の構造と性質」、「墨をどこまでつけるか」などについてお話しくださいました。
そして変体仮名の読み解きについて解説がなされます。現在かな文字といえば私たちは一つの音につき一つの文字を思い浮かべますよね。しかしながら、以前は一つの音をあらわすにも様々な書体が存在していたのです。例えば「か」を表記するのに「可」に由来する字、「閑」に由来する字、「我」に由来する字などを遣っていました。それが近代に入り、平仮名の字体の統一が行われ、かな文字は一音一字となったのですね。ですが、書道では変体仮名を使用しますので注意が必要になるわけですね。
関口先生の説明を聞いた生徒たちは、練習に熱心に取り組んでいきます。

最初は「かなの方が簡単」と述べていた生徒達でしたが、慣れない小筆に四苦八苦している様子が見受けられました。しかしながら、関口先生の個に応じた丁寧な指導が入り、授業の終わりの頃には各生徒が自分の芸術作品を仕上げていました。
